皮膚粘膜眼症候群について |
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医薬品添付文書の副作用項目でよく見かける皮膚粘膜眼症候群:ひふねんまくがんしょうこうぐん(別名スティーブンス・ジョンソン症候群)や中毒性表皮壊死症について調べてみました。 |
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◎皮膚粘膜眼症候群の症状 |
高熱が出て、紅斑が出現しそれが急速に増えていき水疱・びらんを生じ、融合する。 |
眼、口腔粘膜、外陰部などの粘膜症状を伴うことも多く、呼吸器障害や肝障害などの合併症を起こすことがある。
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◎中毒性表皮壊死症の症状 |
発熱症状や外陰部・体幹などに広範囲に紅斑が出現した後、急速に水疱を生じる。水疱は破れやすく、全身びらん症状を呈します。広範囲の皮膚がはがれやすくなります。 |
痛みもあり、多臓器障害の合併症(肝障害、腎障害、呼吸器障害、消化器障害等)も起こすことがあります。 |
皮膚粘膜眼症候群より死亡率が高いとされます。 |
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<発症原因> |
皮膚粘膜眼症候群は、食品や悪性腫瘍、ウィルスや細菌によって起こることがあるが、約60%は医薬品による副作用によるものと言われています。 |
中毒性表皮壊死症に至っては90%以上が医薬品による副作用である、と言われています。 |
いずれの症状でも、それを予見することは大変困難です。 |
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<推定される原因医薬品> |
抗てんかん剤 |
非ステロイド剤抗炎症剤 |
ペニシリン系抗生剤・セフェム系抗生剤 |
などが挙げられます。 |
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<治療> |
医薬品副作用におけるこれらの治療はまず、原因薬剤の中止が第一です。そして、血漿交換療法、ビタミン類の投与、二次感染予防の目的で抗生物質製剤投与が行われ、皮膚面に対しては外用抗生物質製剤が用いられます。 |
さらに、重症例ではステロイド剤の投与が行われることがあります。 |
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<予防> |
実際のところ、予見は大変難しいです。医薬品を服用する限りおこりうる副作用です。 |
症状発現頻度はかなり低め(0.1%未満)ですが、高熱をともなう発疹などがでたら、すぐに医療機関を受診して重症化を防ぐことが大事ですね。 |
FROM:かもめ薬局 |